射出成形用金型
薄肉・外観制約を伴う駆動系樹脂部品に対する3プレート金型対応事例
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製品サイズ
Φ57×19
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素材
PP(ポリプロピレン)
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取数
4個取
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成形機
50t
設計条件に配慮した金型構造と加工対応
本案件では、基本的に薄肉な為、変形等の懸念が大きく、調整代をあらかじめ設定する必要があったため、金型構造は後日微調整がし易くなるような入子構成とした。加工形状は細かく、すり合わせ部の高低差も大きかったことから、加工可能な形状に入子化し放電加工も一部組み入れて加工精度と組付け性の両立を図った。工程の組み立てを工夫することで、品質を維持しながら短納期での対応を可能としている。
薄肉条件と材料特性を踏まえたゲート設計
製品は基本肉厚0.9mmと薄肉で、外観面への影響を抑える必要がある条件であった。今回のPPは流動性に優れる材料である一方、せん断や圧力条件によっては外観への影響が出やすい特性を持つため、3プレート・3点ピンゲート構成において、ゲート径を抑えた設計とすることで、充填性を確保しつつゲート痕の影響を低減した。結果として、成形性・外観性ともに安定した方向に収束した。
本案件を通じて得られたポイント
薄肉かつ外観制約のある駆動系樹脂部品に対し、金型構造や加工方法、材料特性を踏まえたゲート設計を組み合わせることで、短納期条件下でも安定した品質を実現できた。本事例は、薄肉成形品や外観品質が求められる製品に対する金型対応の一例として、今後の案件にも活かせる内容となっている。