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2024.12.06

製品づくりを支える金型の種類と用途を解説

コラム
複雑な形状や高い精度が求められる製品を量産するうえで、金型の設計と製作は極めて重要です。
本記事では、金型の基本的な役割から、素材や用途に応じた金型の種類とそれぞれの用途までを詳しくご紹介します。
金型の基礎知識を押さえたい方、どのような金型を使えばいいか検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

金型とは?

金型とは、材料を特定の形状に成形するための「型」のことです。
金属、プラスチック、ゴム、ガラスなど、多様な素材に対応し、量産における品質と生産性を担保するために不可欠な技術です。

製品の最終的な品質は金型の出来に大きく左右されるため、「製品の産みの親」とも呼ばれることがあります。
高精度・高耐久の金型は、安定した製造プロセスの根幹を支える存在です。

金型の種類と特徴

1. プラスチック用金型

プラスチックを射出成形やブロー成形、真空成形などの方法で加工するための金型です。
日用品から精密機器まで幅広い製品に用いられ、自動車部品や医療機器、OA機器の筐体などにも使われます。

射出成形用金型では、製品の形状に合わせたゲート設計や樹脂流動解析が重要となり、高精度な加工技術が求められます。

2. プレス用金型

金属板を打ち抜き、曲げ、絞ることで形を作る加工に使用される金型です。
抜き型・曲げ型・絞り型などがあり、自動車部品、家電、金属筐体などの大量生産に不可欠です。

特に、工程を統合した順送プレス金型は生産効率を大きく向上させることができます。

3. 鋳造用金型

高温で溶かした金属を型に流し込み、冷やして固める鋳造加工に用いられます。
重力鋳造、シェルモールド、ロストワックスなどの種類があり、アルミ合金や銅合金製品に適しています。

主に建設機械部品や農業機械部品、各種インフラ関連部品の製造に使われます。

4. ダイカスト用金型

鋳造の中でも、加圧下で溶湯を金型に流し込む「ダイカスト」専用の金型です。
精密さと量産性を両立できるため、自動車のエンジン周辺部品や精密機器の筐体に用いられます。

高速かつ高圧で成形されるため、金型には高耐久性と放熱設計が求められます。

5. 鍛造用金型

金属素材に圧力をかけて塑性変形させる鍛造加工に用いられる金型です。
熱間鍛造と冷間鍛造があり、自動車のシャフトや航空機部品など、高強度が求められる製品に活用されます。

特に、製品内部の結晶構造を改善し、疲労強度の高い部品を製造できる点が大きな特長です。

6. ガラス用金型

高温で軟化したガラスを型に押し込む「押型」や、空気で吹き込む「吹型」を用いて成形する金型です。
ビール瓶や化粧品ボトル、照明器具、食器などの生産に利用されます。

耐熱性と表面の滑らかさが求められるため、素材には特殊な鋳鉄や鋼材が使用されます。

7. ゴム用金型

合成ゴム・天然ゴムなどを加熱加圧し、目的の形状に成形するための金型です。
タイヤ、パッキン、キーボード部品、靴底など、弾性が求められる製品に多く使われます。

ゴムの収縮率を考慮した設計と脱型性の良さが重要となります。

8. 粉末冶金用金型

金属粉末を金型に充填し、圧縮成形後に焼結することで部品を作る製法に使用される金型です。
歯車やカム、各種小型機構部品など、高強度・高硬度が求められる製品に適しています。

寸法精度が高く、後加工を最小限に抑えられるのがメリットです。

三幸の金型製作について

当社「株式会社三幸」では、主に射出成形用のプラスチック金型を製作しています。
高精度な加工技術と豊富な製作実績を活かし、食品・医療・化粧品業界を中心とした多数個取り金型に対応しています。

金型の試作から量産立ち上げ、メンテナンスまでワンストップで対応。
成形品の試作も社内成形機で対応可能なため、量産前の検証もスムーズに行えます。

まとめ

金型は、素材の形状を決定づける製造工程の要です。
製品の用途や加工方法によって金型の種類は多岐にわたり、それぞれ異なる設計・製作技術が求められます。

目的や使用素材に応じて最適な金型を選定することが、高品質な製品製造への第一歩です。
金型選びでお悩みの際は、ぜひ私たち三幸にご相談ください。